イリモノづくり

デザインは身近にありました。要るもの作ろう イリモノづくり。

箸のデザイン

プロダクトの生産性を飛躍的に向上させる技術革新によって、大量生産が当たり前の時代になり、そして大量生産のために画一化されたプロダクトが生み出されてきました。

そして現代は、画一化されたプロダクトではなく、誰しもが使えるユニバーサルデザインの考え方になっているように感じます。そのデザインが浸透しているかどうかはさておいて。


先日、夕飯を食べている時にふと思いました。
「箸」ってすごいな、って。


径<5mm、長さ≒20cmぐらいの、2本の棒。
材質は、木・竹・樹脂など。
2本は同形状で、片方の先端に向けて経はゆるやかな角度で細くなっている。
転がりにくいよう、Rのついた四角形の断面のものが多い。



そんな、ただの2本の棒を器用に指で支えて、あらゆる食材を掴んだり、あげくの果てには切っちゃったり。
まー、そんな汎用性の高い、しかも邪魔にもならないプロダクトって他に無いんじゃない?みたいな。

いつ頃に箸が生まれたのかは調べてもいませんが、はるか昔から、人間が気づき、考え、伝えられてきた知恵ですよね。すごい。



もし仮に、今この時代にまで箸が生まれてなくて、「食事をするのに便利なプロダクト」を考えるとしたら。
たぶん箸は作れないし、作らないだろうなぁ、と思う。

落ち着くところはスプーンとフォークかな。やっぱり。
誰しもが簡単に便利に使えることが、ほぼmustな条件としてある現代では、最初に多少の訓練が必要であろう箸は、思いついたとしても、陽の目をみることは無かっただろうな、と。

使いこなせば、こんなに簡単で便利に使えるのにね。


ユニバーサルデザインって、良い考えと思ってたけど、もしかしたら一種の現代病かもしんない。
もちろん、体の不自由な人のために便利なプロダクトや建築は必要と思うけど。
そう考えると、自転車とかも出てこずに、3輪車の大人版、になったのかもしれんなー。


何も考えず、ただ誰しもが簡単に使えるようにするのは、考えものかもしれないですね。