イリモノづくり

デザインは身近に。要るもの作ろう イリモノづくり。

産寧坂の「三年坂 周辺絵図」プロジェクト

産寧坂に、案内板をつくりました。

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「三年坂 周辺絵図」です。






産寧坂(さんねいざか)」というのは、京都 清水寺のすぐ隣にある場所です。


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「ド」のつくほどの観光地。


産寧坂のある「清水三丁目」町内会から大学へお話があり、いろいろあって僕がそのバトンを受け取りました。そうしてスタートした活動です。
半年ぐらいのプロジェクトでしょうか。



できあがった案内板は、町内会のみなさんに喜んでいただけました。
観光客のみなさんにもご覧いただけているようです。
つくっていく過程で町内会の方とは、良い関係を築くこともできました。個性的でめちゃ良いみなさまです。


そんなこともありまして、ありがたいことに今年度からこの活動の展開ver.が授業として行っていくことになりました。
なので、これからも活動は続いていくのですが、案内板の完成というひとつの節目を終えたので、ここに記しておきます。


記しておくのは「記憶と記録の整理」という理由ですが、読まれた方の何かしらの参考になれば嬉しいな、と。



新聞に載りました


www.sankei.com


地域住民との協同事業ということもあり、社会的関心もいただけたのか、新聞にも載りました
京都新聞と産経新聞。
ありがとうございます。ありがとうございます。


名所の歴史や言い伝えも記載されており、学生らは「名所に関連する話も盛り込んでいて、面白みのある案内図になっている」と話している。


自分たちで「面白み」のあると言っているところが良いなあと。
自分たちが面白いと思うことを、面白がってしないと、面白くできないでしょうしね。

今週は別の新聞の取材もある予定です。ありがたいことです。ただ、大変です。いやいや素直にありがたい。




一連のプロセスを行いました

関係した人たち

大きくこの三者が関わりました。


・清水三丁目 町内会
清水三丁目(産寧坂のある地域)町内会からお話をいただき始まった活動です。


・大学
大学生と、町内会が協力して案内板をつくっていくという内容でした。


・行政
このお話は、京都市東山区の助成金の支援を受けながら活動しました。
またこの地域は「伝建地区」(伝統的建造物群保存地区)という地区なので、景観管理が厳しい場所です。
その確認などもしていただいたりとか。



0.全体の流れ

絵を描くだけという内容ではなく、どういうものをつくるかと考えるところから、実際に施工するまでおこないました。

 リサーチ → 構想 → 意見交換 → 提案 → 制作 → 施工

こんなきれいに順を踏んではおらず、進んだり戻ったりですが、大まかにはこんな流れ。



1.リサーチ

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どんな案内板をつくるか」ということを念頭に置きながら、産寧坂とその周辺地域のフィールドワークから始めました。
単純な地図を描くだけなら、今の時代はスマホでGoogle map見れば事足りるし、そっちの方が便利ですしね。

何も知らない人間の僕らなので、まずは観光客気分でぶらつきました。まずは、まちの魅力探しから、リサーチのスタート。



複数回、現地に足を運んでいると、町内会長さんから、産寧坂の話を聞くことができました。
産寧坂周辺の歴史の話。



何も知らなかったこのまちに、いろんな歴史が浮き出てきました
歴史や、物語、関わりのあった有名人などなど。



2.構想・意見交換

それぞれの土地では、きっとそれぞれの魅力があります

この地域の大きな魅力は歴史。
なら、それを活かしたほうがいい。

いろんな歴史や、いわれを味わえるキッカケになるような案内板にすることにしました。



歴史がある地域ということがわかったので、並行して、産寧坂や京都の歴史的な絵図について調べたりしました。


いろんな絵を調べていく中で「洛中洛外図屏風」(画像検索)というのが、しっくりときました。



今が大事な案内板ではなくて、これまでの歴史があるから今がある。そんなものが良いなと思いました。
なので、今風のテイストにするんじゃなくて、日本古来の描き方が良い。
伝統を活かしながら、その一方で、自由に縛られ過ぎずに描くことにしました。


・鳥瞰図、すやり霞という表現方法を取り入れることにしました。

・そこに産寧坂の歴史やいわれを書き込むかたちにしました。

・案内板に描かれる人は、いろんな時代の人を混在させることにしました。


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構想が固まりかけてイメージができてきたぐらいに、意見交換会を行いました。


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イメージの説明と共有、そして何より「どんな情報を載せるべきなのか」を町内会のみなさんと話し合って決めていきました。


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下絵をつくって、意見をいただいて、改良して、を行っていきました。


3.制作

畳1畳分ぐらいのサイズの案内板を、制作していきました。

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板に下絵をトレースしていきました。


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トレースしてから、筆で彩色していきました。


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文字も全部、手描き、手塗り。
思ってたより大変でした。


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関係ないですが、制作途中のパレットや筆洗いが、きれいでした。
関係ないです。すいません。


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制作途中には、町内会の方に、大学までお越しいただいて途中経過をご覧いただいたりなど。


4.施工

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案内板の設置場所は、産寧坂のふもと、瓢箪屋さんの隣です。
草木も生い茂っている感じ。


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みんなで草刈りなどしました。


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もともと案内板が40年ほどまえにあった場所ということで、その跡がでてきました。
予想以上にしっかりしていたので、柱などそのまま使うことにしました。


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打ち付けて、


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完成。



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ちゃっかりと、裏には自分たちの名前を書いています。
雑なモザイクですみません。




まとめ

こうして産寧坂の案内板づくりは終えました。

ちなみに産寧坂には「産寧坂」「三年坂」「再念坂」という3つの呼ばれ方があります。
そういうのもやはり、いわれがあるのですが、一部は案内板に書いてるのでご覧いただければ幸いです。




人の暮らし」というのは、その地域の特色に大きく左右されるなあと思っています。

だからこそ、地域にはいい特色や魅力が必要です。
その魅力というのは多くは、歴史や文化、人々の営みの記憶に起因すると考えています。


この清水三丁目の場合は「歴史やいわれ」が大きな魅力です。


地域の魅力とは何かを考えて、それらを活用したものとして表現しているのが、今回の「案内板づくり」でもあり、僕が大学で担当しているプロジェクト活動です。

地域の魅力というのは、人々の良い暮らしのためにある



こうしたプロジェクトにおいて、魅力の探し方、イベントやモノへの活用アイデア、それらの具現化、運営の方法などを学んでもらえたらなと思っています。
僕もその過程で、色々と学ばせていただいているのですが。

企画運営、制作、それらの情報発信などを通じて社会と繋がった企画運営の実現ができて、コミュニケーションをとってもらえるといいなと。




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この「清水三丁目」町内会のみなさんとは、今年度も(あわよくば来年度以降も)関わっていきます。


今年は、何をつくるかから考えて、提案します。
どんな提案ができるだろう。

魅力を活かして、どんな良い暮らしに繋げていけるだろうか。