小冊子ぐらいのものですが、本をつくるのに、
文章を考えたりしています。
学生時代を振り返ってみると、正直いって歴史も社会もとことん苦手な教科でしたが、こうして三年坂(産寧坂)地域に関わってきて、知れたことも多いです。
文章を改良していくためにも書き記していってみようかななんて思いました。
イラストや図解なんかもつけれるといいなと考えています。
建築の「様式」を守る
「三年坂らしさ」、その大事なひとつが町家が並ぶ景観です。
雰囲気のある伝統的な町家で統一されています。
だからその間にある道を通り抜けるだけでも、心地よい時間を楽しむことができます。
伝統的、とはいっても西洋のように石造ではなくて木造の建物なので、耐用年数としては100年ほどです。
その時々で改修したりします。
しかし「建築様式」を守り、残していることによって現在にも伝わっています。
そうして、三年坂の雰囲気をつくり出しています。
建物を顔を保存
住む人のことを考えると、伝統を守るためだから不便だけど我慢して生活をする、というわけにはいきません。
では、どうやってバランスをとっているかというと、建築様式の保存は「ファサード(外観)」にとどめられています。
つまり、外から見える建物の「顔」はきちんと保存をして、内部の改装は時代に合わせて住んでいる人の自由してもよい、ということになっています。
このファサードの様式は、大きく5つに分けることができます。
1.むしこ造り
2.本二階建
3.変型
4.数寄屋風
5.和風邸宅
見分けがつくでしょうか?
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.むしこ造り
漢字では「虫籠造り」と書きます。虫かごのことです。
天井の低い二階の外壁に、虫かごのような格子窓のある様式です。
なぜ天井が低いかというと、江戸時代に庶民の家は、二階を造ることを制限されていたからのようです。
2.本二階建
主に明治時代以降に取り入れられた様式です。
二階が高いので見分けがつきやすいですね。三年坂の本二階建は、主に大正から昭和の戦前に建てられたとされています。
3.変型
主に大正時代以降の様式です。
数寄屋風の味わいを付け加えたものです。
4.数寄屋風
伝統的な茶室建築の手法を取り入れた様式です。
どちらかというと特殊な様式です。
5.和風邸宅
妻入りの町家様式で、道に面して塀と門があるものです。
こちらは一般的な様式です。
建てられた時代
建設された年代は、主に江戸から昭和にかけて建てられているようです。
・短冊型の敷地にある古い「むしこ付町家」:江戸から主に明治
・中程度の大きさの敷地にある「邸宅」:大正から昭和初期
・「二階の町家」:大正から昭和(戦前)
参考文献
※1.東山八坂地区における歴史的環境の保全修景計画調査研究報告書(京都市都市開発局 昭和47年3月)
※2.京都の景観はみんなのもの(京都市都市開発局 昭和48年3月)