もう滋賀ツアーから、早いもので2週間以上が過ぎてしまったわけで。
早っ。
まとめ記事だけは書いていたので、ちょっと面倒にもなってきて「もう書かなくてもいいかな。」とも思い始めてた昨今。
まぁそれでも、せっかく書きかけたし、ちゃんと書き上げようとふるい立たせて、佐川美術館の巻に引き続き、いざ2日目の“木のスプーン作りの巻”。
マンマ・ミーア!でワークショップ
会場は滋賀県甲賀市は甲南のmamma mia | マンマミーア。
カフェだけじゃなくて、ギャラリーや木工の作業場もある、とても素敵なところです。ぜひ。
今回の、この木のスプーン作りワークショップの講師は、このmamma miaを主宰しておられる木工作家の川端健夫さん。
空デつながりの我らがスター。
この2日目の木のスプーン作り、参加者が多いこともあって、午前と午後の2班に分かれてのワークショップでした。僕は午前。
そうそう、そういえば、このワークショップには事前課題があったのでした。
- 身の回りのスプーンを調べてくること
- 自分で作る木のスプーンの型紙を作ってくること
事前課題のスプーン構想
家にあるスプーン(ステンレスの大小の2種類しか無かったけど)を調べて、その形のなりゆきを考えた後、木で作りたいスプーンの構想。
いわゆるカレースプーンな大きめのサイズで、形はシンプルにしたいというのはあったものの、いざ自分で作れるとなるとせっかくな機会だもんで、どういう形にしようか悩む日々。
用途やら、口に入れる角度やらを考えて型紙を作ってみると、なにやらどこかで見たことのある形になってる様子。
そうそう、プロダクトデザインの巨匠 柳宗理さんのデザインされたスプーン。
僕はものの形を考え始めるとき、試作しながらではなくて、絵を描いたり頭の中で考えながら最初はスタートすることが多いんですが、柳宗理さんは試作をしながら形を考えていくというのは有名な話。
おそらくどこかで少なからず影響は受けているんだろうとは思いつつ、こうして似たような形に辿り着いたことに嬉しくなりまして。
こうなったら、自分で作るスプーンはこの形にしよう、と。
柳宗理さんライクなこの形を、ステンレスじゃなくて木で作ったとしたら、食べ心地はどうなのか試してみよう、と。
つまるところ、スプーンに関して、形は素材を超えるのか試してみよう、と。
そう思って事前課題が無事完成。
いざ木のスプーン作り
話は戻ってワークショップ当日。
参加者ひとりひとりに渡されたのは50×200×15(mm)の木の板。
木の種類は胡桃(くるみ)。初心者でも加工しやすいだろうとの川端さんの配慮でやわらかい木になりました。
工具一式貸していただいて、準備もしっかりしていただいて、感謝感謝です。
木のスプーンの作り方
1.型紙を使って、木の板にえんぴつで形(平面図)を描く。
2.バンドソーで1mmぐらい大きめにカット。
3.紙やすりやベルトサンダーなどで、形を整える(#120)。
4.型紙を参考に、えんぴつで側面を描く。
5.バンドソーで同じくカット。(側面は難しめ)
6.紙やすりやベルトサンダーなどで、形を整える(#120)。
7.のみや彫刻刀でスプーンの凹部や全体の形を削り、調整。
8.やすりの目を細かくしていく(#120 - #240)。
9.一旦水を含ませたキッチンペーパーで拭いて、スプーンに水を含ませる。(毛羽立たせる)
10.仕上げのやすり(#400)。
11.蜜蝋ワックスを刷り込む。
ということで、無事完成。
作ってる途中からすでに愛着たっぷりになってたけど、
ぷっくりとした、後ろ姿が特にお気に入り。
だいたい最初のあいさつやら説明していただく時間を除くと、2時間半ぐらいでみんな完成しました。
午前の人たちの作品。
午後の人たちの作品も合わせると、なんとも壮大な眺め。
使用感を確かめるスイーツタイム
このワークショップは嬉しいことに、実際に自分たちがさっきまで汗を流してがんばって作ったスプーンで、miaさんの特製アイスが食べられるというおまけ付き。
自分の作ったものがどうなのか、自分の口で、自分の舌で感じて、また各々が家に帰ってから微調整をして欲しいという、粋なはからいです。
スペシャルアイスクリーム。
おいしゅういただきました。
僕のスプーン、肉厚でお世辞にも食べやすいとは言えなかったので、また随時ヤスリがけをして、育てていけたらと思う所存です。
このイベントの振り返り
自分で使うものを自分で作れる。その体験はすごく貴重でした。暮らしのデザインとでもいうのか。
しかも、知ってる仲間たちとワイワイと楽しみながら作れる。
こういう機会ってなかなか無いので、今後の重要なヒントな気もします。
ワークショップ、流行ってるけどね。
ワークショップで繋がる、じゃなくて、繋がってる人とワークショップする、っていうのはまたちょっと違うのかも。
あと、参加した人たちは大きく分けると、「職人型」と「バランス型」に分けれた気がします。
僕は良くも悪くも、完全にバランス型。
まぁそれはわかってたこととして、もう一方の職人型の人たちは、一つのことをとことんやり抜くイメージ。
木のスプーン作りに関して言えば、ヤスリがけが肝なので、ひたすら仕上げにヤスリがけにこだわる人たち。
僕は特化できずに、トータルとしてのバランスにこだわってしまうので、それって残念な面で言うと、見栄え的にも特徴的にも、パッとしないものになりがちな気がします。
こだわって、それをやり切る力。
次はそれかな。