ちょうど1週間前の、6/23-25の3日間、「構想デッサン」スクーリングを受けてきた。
3年目にして初めての総合スクーリング。
せっかく芸大に入ったのだから絵も描きたいし、デッサンも受講したいなぁと思いながら早3年目。
卒制も始まったし、発想力も鍛えられるかなと思って受講したというかたち。
集まった受講生は、20人弱。
僕を含め3、4人が20-30代ぐらいで、他の方は40-60代ぐらいの方々で、普段の空デとは逆な感じの年齢構成。
あと、デザインサイドの人は、空デ1人(僕)、情報デザイン1人、建築デザイン1人で、他の方々は芸術サイド。
結果的には、合評の際には新鮮で刺激的な内容ばっかりで、描くことに関してノウハウを得られたりと、良い経験。
1日目:概要説明と3つの小課題
概要説明
初日の最初は概要説明。
デッサンには2つの種類がある、と。
それは「モノを見るデッサン」と「モノを見ないデッサン」。
通常の、いわゆるデッサンは「モノを見るデッサン」。
モノの形や陰影を、紙に描いていく作業。穴のあくほどに見続けて、描く力とともに、モノを見る力を養うデッサン。
一方の「モノを見ないデッサン」が、この構想デッサン。
描いてみることでモノゴトを構想していく。この描かれたデッサンが美術世界での「言語」となる。
小課題1「正方形を描く」
そんな説明を受けた後、最初の小課題は「正方形を描く」。
使う画材は鉛筆とB4サイズのクロッキー帳。何枚描いてもイイ。思いついたオリジナルなモノを描いていくという作業。
色々描いた内の、わりと好評をいただいた2つ。
余白で最大限の正方形を描いたらどうなるか、と、正方形を回転させることでできる形。
小課題2「自分の生まれ育った家とその周辺を描く」
2つめの課題は「自分の生まれ育った家とその周辺を描く」。
実際の風景を見ずに、思い出しながら、紐解きながら自分の懐かしい風景を描く。
上手いヘタじゃなく、現実にありえなくてもよい。
小中学生の頃に住んでいたマンション。大阪市内の住宅地だったので、土地が全然なく、マンションの駐車場で遊ぶのが日常だった日々。そんな駐車場の思い出深い塀。
真ん中ちょい上の右サイド出窓にうっすらと人影が見えているのも、実は自分の居場所。
子どもが座れるぐらいの出窓のスペース。ここで遊んだ記憶も。
小課題3「大きなものが遠くにある。小さなものが近くにある。2つを組み合わせて描く」
3つ目の課題はシュールレアリズムを描く。
この課題は、得意だったようで、先生に結構お褒めの言葉をいただいた。
シュールな人間だったのか。
しかも無意識ながら、遠近法を「濃い/薄い」で表現したり、「書き込む/書き込まない」で表現したり、レイアウトのバランスを考えたりしているらしく、もはや天狗状態。
これがそのデッサン。文具・城という、日常に無い組み合わせを絵の中に配置して、文具の形と城の形でリンクづけてみた。
こっちはハサミと川で、大地を切り取る、っていうイメージ。
2日目:2つの小課題と最終課題の準備
小課題4「マチスの線とチリダの線」
この課題は、画家のマチスとチリダの描いたデッサンから、その線の使い方や影響を学び、実際に描いてみるという内容。
これがマチスの線。単なる人の手ではあるけど、手の境界線を描く際に、繋がっているところは一筆書きのように繋がった線でなぞるように描いていった。
小課題5 「ドラえもんから描く」
あまり理解できなかった内容ではあるけど、ドラえもんを好きなように描いて、そこからオリジナルなものを構想していったり、別なキャラクターを生み出していく内容らしい。
円だけでドラえもんを表現してみた。上下反転できる絵にしており、人工的な未来へと進むのか、自然あふれる地球にたどり着くのか、という問いかけ。
何でも便利道具を出してくれるのがドラえもん。
だとすると、ドラえもんって何なんだろう。存在意義を考えると、四次元ポケット君でも良いのかもしれない。
奥では切り取られたドラえもんが泣いている。
っていうイメージ。
機能重視な現代において大事なものは本当にそれかい?っていう。
最終課題のキャンバス作成
最終課題キャンバスを自分たちで作る時間。
新聞紙4枚分の広さのキャンバスを作っていく。材料は、新聞紙、ボンド、ジェッソ。道具は刷毛とボール。
新聞紙4枚を2cmぐらいの糊代でボンドで接着し、1層できたらその上に2層目、3層目と、重ねていく。1:1ぐらいで薄めたボンドを刷毛でベタ塗り。
3層完成したら、1:1から2:1ぐらいでボンドの時より濃いめに薄めたジェッソ(白)で新聞紙の表面をベタ塗り。2回程塗ったら完成。
しわしわになったけど、そういうものらしい。
3日目:大きな紙に描く
最終課題「大きな紙に自由に描く」
最終課題は大きな紙に自由に描く。
何を描いてもいいし、何の画材でもいい。立体作品を貼り付けたりしてもいい。とのこと。
ただ、計画して、それが頭のなかで完成してから描くんじゃなくて、描きながら考え、修正したり軌道変更したりしていきなさい、みたいな。
僕は、その週末に卒制スクーリングが控えていたし、絵画を描きたいわけでもなかったので、「卒制のためのアイデアスケッチ」を描くことに。
軽く考えていたアイデアをドローイングしながらアイデア発散していこう。あわよくば試作品も作ってしまおうという魂胆。
制限時間は午前中の3時間。
みなさん時間足りないながらに絵画を描かれている一方で、出来上がったのがこれ。
近づいてみると、ただのアイデアスケッチだけど、離れてみると結構絵として面白い印象。
あと、作った試作品が貼ってある「紙の皿」と、この「器手帳」。
実際この後、その週末の卒制スクーリングにこの成果を持参したところ、すんなり事が進んだ。
構想デッサンさまさま。
そんな内容で、他の方の成績はわかりませんが90点と高得点。
楽しいスクーリング。
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