イリモノづくり

デザインは身近にありました。要るもの作ろう イリモノづくり。

「買う」以外の選択肢

基本的に裕福なレベルにいる日本では、ものやサービスを買うことが前提としてある。市場経済だから当たり前なのかもしれないけど、それは果たして当たり前なのか?

ほんのわずか数十年前には、買うなんてことが当たり前じゃなかったものまでも、今では当たり前に買っている。

ペットボトルのお茶や、缶コーヒーなんかは、淹れればそれで飲める。味の違いがわかる人間でもなければ、素人ながらに淹れても美味しく飲める。なのに今は買う。「お茶を飲む = ペットボトルのお茶を買う」なんて人が結構多くいるんじゃないのか、と思う。

机を買う。今では当たり前のことだと思う。机を手に入れるのに、買う以外の選択肢があるひとなんて、居ないんじゃないかぐらいに。自分も多分にもれずその一人ではあるけど、ふと考えてみると、机 って物を置いておくスペースを作るものだから、ホームセンターで材料を買ってこれば、それなりには作れる。不細工でも、水平じゃなくても。

人はもともと自分たちに必要なものは自分たちで作ったり、入手して生きてきた。狩りにせよ、農業にせよ。 それから自分には出来ない技能なんかを、補うために買う、ってことが生じた。買うっていうのはそういうことだと思う。自分にできないから買う。自分にも出来るけど、買った方がメリットがあるから買う。
でも今は、自分に出来る・出来ないは選択肢になくて、単純に欲しいから買う。買わないと手に入らない、っていうことになってるんじゃないかと思う。
ものを買う前に、買う以外の選択肢が自分にはないのか、考えてみるステップが必要かもしれない。

3.11の震災後には、ライフラインが充分に確保できなかった地域もあったと聞く。これだけ当たり前だと思っているライフラインですら、一瞬で崩れてしまう。そのときどうやって生きていくのか。自分で作るっていう選択肢や、買う以外にどうにか入手する選択肢を持っておく、そんな必要がありそうな気がする。

そして何よりも、消費社会よりも、創造社会の方がきっと人生が楽しいと思う。