イリモノづくり

デザインは身近にありました。要るもの作ろう イリモノづくり。

見るデザイン

デザインとは、計画であり、考えるということです。
広い意味でのデザインは「設計」らしいです。
問題を解決するために、頭で考えて、具現化する行為ということでしょうか。

どちらも、ものを創りだすことですが、設計とデザインは違うことのように思います。


浅薄ですが僕の(今の)持論は、
デザインとは、共感されるかたちで具現化するために試行錯誤すること、です。

共感されるかたちというところがポイントで、デザインと設計の差異であると思っています。


人は美しいものに共感します。
伝えられて納得できることに共感します。
自分とは関係がなくても、感情が移ります。


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頭で考えたことを具現化するだけでは、きっと良いデザインにはなりません。
僕は、工学部を卒業して開発設計の仕事ののち、デザイン科を卒業してデザインをしています。そんなふうに歩んできたこともあってか、頭で考えたことを少しは具現化できるようになった気がします。
ただ、そこに大きな落とし穴があるように思います。

そもそも頭で考えたことは正しいのか。
頭で考えたことは本当なのか。
それは、その人が共感を覚えるものなのか。



ある日、頁をめくっていると、すっと頭に入ってきた文章がありました。

ものを創りだすことは、見ることだと思う。見るということは、時には創りだすことより困難な場合がある。(中略)
見ることができない時、それは、ものを創りだすことができないのである。(中略)
創りだすことと、見ることを観念として、明確に区別することはできない。だが、見て、見て、見つづけることが、やがて創りだすことである。
何かを見るまで、描くことを休めなければならない。

造型思考ノート 粟津潔 1975 河出書房新社 p.28

見ること。
創りだす対象を見ること。現場を見ること。世界を見ること。

世界と、デザインを繋げるためには、見ることこそが重要な気もします。



悲しいかな、ついつい忘れがちな内容です。
意識したいと思うのでした。

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